仕事をするのに、パソコンが遅いと困りますね。
では、パソコンの性能はどうやって決まるのでしょうか?
テレビで広告しているので「インテル」というメーカーの名前くらいは聞いたことがあるかも知れません。インテルが作っているのは「CPU」という、いわばパソコンの頭脳とも言える部品です。
確かに良いCPUを使えば処理は速くなります。特にWindowsが世の中に広まり始めた90年代後半は、CPUの速度の差が決定的だったので、少しでも良いCPUを選ぶことが大切でした。
しかし、パソコンの速度を決めるのはCPUだけではありません。
そこで、遠回りに思うかも知れませんが、パソコンの中でどんな風に処理が行われているか、手計算で事務作業を行う場面に例えて解説します。以前に弊社メールマガジンで「今さら聞けないPCの中身」と題してお伝えした内容を抜粋し、さらに簡単にしたものです。
- CPU
これは「事務処理をする人」に相当します。
最近のパソコンでは「デュアルコア」「マルチコア」と言って、1台の中に複数のCPUが入ったものになっています。人が二人になれば、処理速度はほぼ2倍になる、というわけです。
CPUが遅いと全体的に処理が遅くなってしまいます。
遅いより速い方が良いですが、これだけで速度が決まるわけではありません。
- ディスク:HDD(ハードディスク)またはSSD
資料や作成した書類が保存された書棚に相当します。
ここには「どうやってCPUが処理をするか」を書いたメモも保存されています。
実はCPUは一切暗記できないので、何かをするにはこのメモが必要になります。
容量の差ばかりが問題視されがちですが、データを取り出す速度にも差があります。
HDDは回転するディスクに、SSDはフラッシュメモリというSDカードやUSBメモリと同等の媒体に保存します。
- メモリ
ディスクから出してきた資料や、これから書き込む書類を広げる「作業机」に相当します。
上でも書いた通りCPUは一切暗記できないので、必要な資料はすべて机の上に出しておく必要があります。
メモリが多いと速度の向上に役立ちます。
ではなぜ、メモリが多いと速度が速くなるのでしょう?
その関係を説明します。
特に昔は、使えるメモリの量に非常に制約がありました。
そこで、作業中のメモリの内容(机の上の文書)の一部を一時的にHDD(本棚)にしまっておく、という方法が考え出されました。(「仮想メモリ」と呼びます)。
少ないメモリで多くのデータを利用できるメリットがありますが、データの出し入れのためHDDにアクセスする時間が非常に増えます。
この「入れ替え作業」が生じやすいのは、操作するプログラムやウィンドウを切り替える時ですね。特に昔のWindowsをお使いの方なら、経験がおありだと思います。
逆にメモリの量に余裕がある場合、使いそうなデータをあらかじめHDDから読んでメモリ上に置いておく事で、体感的な時間を短縮する機能もあります(「キャッシュ」と呼びます)。
特に扱うデータが大きな場合や、複数の仕事を頻繁に切り替える事が多い場合は、CPUよりも、メモリの量を重視した方が良いわけですね。
なお実際には、CPUがメモリからデータを読み込む速度は1秒間あたり数GB、HDDから読み込む速度は1秒当たり数十MBと、約100倍もの差があります。
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