前回「デフラグ」ってなんですか?でも廃熱が問題になるケースをお伝えしました。
今回はなぜ熱が出るか、熱が出るとどうなるかをお伝えします。
なぜパソコンは熱を出すの?
熱を出すのは主にCPUとHDDですが、ここでは特にCPUについて説明します。
CPUの中では、電気を細かく充電、放電して「0/1」の状態を作る事で、計算処理を行っています。貯めた電気を放電するとき、その電気が熱に変わります。
このときに出る熱の量は、CPUの「クロック数(=1秒当たりの計算処理の回数)」に比例します。このクロック数は、パソコンの速度を向上するために昔から比べると飛躍的に増えていて、具体的にはPC-8801などでは4MHz(1秒当たり400万回)だったものが、最近のPCでは4GHz(1秒当たり40億回)などと1,000倍になっています。
そのため昔のパソコンなら「ほんのり温かい」程度で済んでいたのですが、最近では数十ワットと電球なみの発熱量となっています。
廃熱が追い付かず高温になりすぎると、熱による膨張で基盤が壊れたり、あるいは半導体としての特性が変わってしまったり、他の基板上の部品が劣化したり、と悪影響が出ます。
これを避けるため、大型の放熱板を付けたり、ファンを回したりして冷やすわけですね。
ゲーム機も今は同様の理由でファンが付いています。昔のファミコンなどにはファンは付いていませんが、今のPS3等ではファンの音がするはずです(しない場合は、たぶん壊れてますよ!)。
CPUを冷却できないとどうなるの?
長く使っているとファンも壊れてしまう事があり、その場合、こんな症状が生じます。
- 極端にスローダウンします。
過熱時に自動的に動作を遅くしてCPU自身の故障を防ぐ「サーマルプロテクション」という機能が働くためです。幸い私は経験が無いのですが、この機能が無い昔のCPUでは過熱してCPUが壊れるケースもあった模様です。
- 操作できない、あるいは異常終了する場合もあります。
上の機能でも間に合わず、温度が上昇し続けた場合は、自動的に電源が切れてしまいます。熱暴走と言われる現象ですね。
対処するには?
ファンや放熱板、空気取り入れ口などにゴミがついていたら掃除すると良いでしょう。また、パソコンの空気取り入れ口がモノで塞がれると冷却効率が落ちるので、隙間を開けるようにしてください。
ファンが不調という場合は、きちんと修理するなり、新品のパソコンに買い替えるなりすると良いでしょう。古いパソコンをだましだまし使っているという場合、デスクトップ型ならファンの交換は比較的簡単ですが、特にノートパソコンでは分解が大変な事もあります。この場合はノートパソコン冷却台と呼ばれる類の製品を買うと改善するかも知れません。夏場に性能が落ちるという場合にも有効です。
将来は、もっと発熱が大きくなる?
特にノートパソコンでは発熱量は限界に近いので、発熱量を上げずに性能を上げる方法が模索されています。
パソコンの「性能」はどうやって決まるの?で「複数のCPUが入ったものがある」というお話をしましたが、これもその一つです。
消費電力はクロック数に比例してしまうため、クロック数を抑えて、CPUの数を増やす事で高速化しよう、という事ですね。より詳しくはマイナビニュースのマルチコアプロセサの消費電力という記事に書いてありますが、例えば「クロックを80%に落とし、二つのCPUを動かすと、元と同じ電力のまま、理想的には0.8×2=1.6倍の処理を行う事が出来る」という事だそうです。
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